夏道楽:北斎とソーキそば

ミッドタウンホールにて開催の「北斎づくし」に母のお供として行ってきた。

葛飾北斎生誕260年を記念した特別展示。北斎の門下生?に向けた指導用画集として初刊限定で刊行したところ一般民衆の人気を集め全15刊のベストセラーとなった「北斎漫画」をはじめ、代名詞「冨嶽三十六景」などが一堂に会した大規模な展示である。

旅に出て旅先の風景を紙に映し出しまた次の旅へ。旅に生かされ、旅もまた北斎に描かれることで生かされる。「旅をすみかとす」とはまさにこのことか。拠点を置かないのびのびとした暮らしぶりに感銘を受けた。こんな暮らしができたらどんなに良いだろう。私には本当のすみかなんてない。さしずめスマホにそのほとんどの時間を吸収される情けない人生である。


帰りにお茶したいだねとなった。北斎先生の手前もあり、ミッドタウン内にある虚栄の権化みたいなBAKERY&CAFEなど行きたくない我々は地下鉄日比谷線へ逃げ込む。
日比谷線ユーザーの実和子によると、東京メトロでは一部車線間での乗り換え時に一度改札を出なくてはいけない場合があるため、指定の駅では改札を出て60分以内であれば再入場の際に追加運賃がかからない制度があるという。
ということでお茶請けを求めて日比谷で途中下車。

向かうは東京随一の沖縄物産店・わしたショップ(だいすき)。ブルーシールアイスだけ買って帰ろうねといった入店前のやりとりは盛大なフリであった。入店即、買い物かごを手にする実和子。那覇空港の復路便搭乗20分前のごとく爆買いし見事フリを回収。
結果、沖縄そば(生麺タイプ)とソーキにサーターアンダギー、他5点を無事保護していた。私も迷子と思われるハイビスカス茶とアールグレイ黒糖がこちらを見つめる瞳にやりきれず、やさしく拉致した。

帰宅して沖縄民謡のバックグラウンドミュージックと共にソーキそばを食べた。


私が好きなアルバム。YouTubeで聴けます
https://youtu.be/sdgMV9UkftM


総じて、夏の祝日の過ごし方としては優勝だが、反省点もある。
世間は3連休だったようで北斎の展示にはかなり人が密に集合しており理想の2倍のスピードで鑑賞を巻いてしまったこと。割と貴重な展示だっただけに勿体ない。
またコロナ感染が急拡大するなかで人と距離を空けるより鑑賞を優先してしまった自覚があり無念である。最近流行のデルタ株は感染力がスゴいやつだと聞いている。まあ応報は覚悟しておく。


Maria